とても古い冠型脱進機鎖引き懐中時計を修理しました。1800年頃の製品か?針は分針のみで時針は文字盤の下に丸いダイヤルがあり、昼間は太陽の指針を夜は月の指針を見るようになっていて風変わりな文字盤です。古いものですから全体的に摩耗していて復元まで時間がかかりました。修理箇所はオーバーホール、テンプ上穴石、受け石入れ(元は石なしで穴が大きくなって天真がガタガタ踊っていました。天真整形、ヒゲゼンマイ修正、4番車下穴石入れ(元は石なし真鍮穴)4番上穴ブッシュ替え(穴が大きくなっていました)3番上下、2番上下穴カシメ、2番芯整形、筒カナ上半分別作(穴が大きくて置き回りをしていました)。鎖引きの場合は一番車を完全に分解して中のコハゼをよく洗いグリス注油しないと後から摩耗が早くなります。ゼンマイがかなり弱っていましたが幅が広くて適合する物がないのと強いゼンマイを入れると鎖が切れる恐れがあるので替えない事にした。200年以上の前の時計ですから実用的に使用しないので現状の状態で良いのでは。